文化住宅の売却ガイド
老朽化した文化住宅を現況のまま売る

昭和30〜40年代に建てられた文化住宅は、築50〜60年を迎えています。雨漏り、外階段のさび、床の傾き、シロアリ。入居者がいる建物では、その方の安全も気がかりです。このページでは、傷んだ文化住宅をどう考え、どう売るかを説明します。
- 宅建士が監修
- 入居者付きのまま買取
- 相談・査定は無料
最終更新日:2026年10月10日
まず結論から
- 傷んだまま売れます雨漏り・傾き・シロアリがあっても、現況のまま買い取ります。
- 不具合の責任を負わない条件にできます当社が買主の場合、契約不適合責任を免除する条件で契約できます。
- 補助は着工前の申請が必要です耐震・解体の補助は、工事の契約や着工の前に申請するものがほとんどです。
旧耐震とは ― 完成日ではなく「建築確認」の日
1981年(昭和56年)6月1日に建築基準法の耐震基準が大きく改正されました。それより前の基準で建てられた建物を一般に「旧耐震」と呼びます。旧耐震かどうかは、建物が完成した日ではなく、建築確認を受けた日が1981年5月31日以前かで判断します。
文化住宅のほとんどはこれより前に建てられた旧耐震の建物です。確認済証が手元にない場合でも、役所で「建築計画概要書」や「台帳記載事項証明」を取ると、建築確認の日付がわかることがあります。ただし古い建物は記録が残っていないこともあり、その場合は登記簿の新築年月日などから推定します。
木造の建物は、2000年にも接合部の金物などの基準が見直されています。旧耐震の木造の建物は、大きな地震で倒壊する危険が比較的高いとされ、耐震診断を受けると補強が必要と判定されることがほとんどです。
所有者の責任と、入居者の安全

建物の壁や外階段が崩れて人にけがをさせた場合、まず建物を使っている人(占有者)が責任を負い、占有者が十分な注意をしていた場合には所有者が責任を負います(民法717条の土地工作物責任)。所有者の責任は、過失がなくても負う重いものです。賃貸中の文化住宅では、オーナー様は貸主として建物を使える状態に保つ義務(修繕義務)も負っています。
雨漏りや設備の故障の修理を入居者から求められて対応しないと、家賃の減額や損害の請求につながることもあります。修繕費が家賃収入を上回るようになったら、持ち続けるかどうかを考える時期です。
ご家族に知られずに相談できます
お電話の時間帯や郵送物の有無はご希望に合わせます。物件を見に行く際も、近所に売却とわかる形ではうかがいません。
受付 10:00〜19:00(水・日定休)。当社は立ち退きの交渉を代理しません。入居者の方とのお約束は、そのまま買主が引き継ぎます。
まず確認したい建物の傷み
売るにしても持ち続けるにしても、建物の状態を知っておくことは大切です。専門家でなくても、次の点は目で確認できます。
| 場所 | 確認すること | 危険のサイン |
|---|---|---|
| 外階段・共用廊下 | 鉄部のさび、手すりのぐらつき | 踏み板の穴あき、手すりが動く |
| 屋根・軒先 | 瓦やトタンのずれ、雨どいの外れ | 天井のしみ、雨の日の水滴 |
| 外壁(モルタル) | ひび割れ、浮き | 壁の一部がふくらむ・はがれ落ちる |
| 床・柱 | 傾き、床のきしみ | 建具が閉まらない、ビー玉が転がる |
| 土台・床下 | シロアリの跡、湿気 | 羽アリ、柱を叩くと空洞の音 |
「危険のサイン」がある場合、特に外階段と外壁は、入居者や通行人のけがにつながるため、売却の前でも応急の対応を検討してください。それ以外の傷みは、当社の買取では直さずにそのままで構いません。
修繕するか、売るか
古い文化住宅の修繕は、一か所直すと次々に傷みが見つかることが多く、費用の見通しが立てにくいのが特徴です。屋根の葺き替えや外階段の交換、給排水管の取替えは、それぞれ数十万〜数百万円かかることがあります。
| 修繕して持ち続ける | 現況のまま売る | |
|---|---|---|
| 費用 | 修繕費がかかり続ける | かからない(当社の買取の場合) |
| 家賃収入 | 続く(ただし低い) | 売却時に終わる |
| 入居者の安全 | オーナーの責任で確保 | 買主が引き継ぐ |
| 将来 | いずれ解体・立ち退きの判断が必要 | 判断は買主が行う |
売却を考えているなら、大きな修繕は先にしないでください。修繕費ほど価格が上がることはほとんどありません。ただし、入居者の安全に関わる緊急の修理(崩れかけた外階段の手すりなど)は、売却の前でも対応が必要です。
解体する前に、一度ご相談ください
更地にすると固定資産税が上がることがあります。補助金も着工前の申請が必要です。建物のまま査定できます。
受付 10:00〜19:00(水・日定休)。当社は立ち退きの交渉を代理しません。入居者の方とのお約束は、そのまま買主が引き継ぎます。
傷みがあっても売れる理由 ― 契約不適合責任

個人が建物を売るとき、売主は契約の内容に合わない不具合(雨漏り、シロアリ、構造の腐食など)について、買主から修理や代金の減額などを求められる責任を負います(契約不適合責任)。仲介で一般の方に売る場合、この責任の範囲や期間を契約で決めるのが一般的です。
当社のような宅地建物取引業者が買主になる場合は、この責任を売主が負わない(免責)という特約を結ぶことができます。雨漏りやシロアリがあっても、現況のまま引き渡していただけます。
ただし、知っている不具合を隠していた場合は、免責の特約があっても責任を免れません。わかっている傷みは「物件状況報告書」に書いて、正直にお知らせください。それが結局、売主様ご自身を守ることになります。
耐震・解体の補助制度の調べ方
大阪府内の多くの市町村には、古い木造住宅の耐震診断、耐震改修、除却(解体)に対する補助制度があります。大阪市では、密集市街地を対象にした「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」や「防災空地活用型除却費補助」などもあります。
ただし、対象になる建物(戸建てだけか、長屋・共同住宅も含むか)、補助の割合や上限額、受付期間は、制度ごと・年度ごとに違います。当サイトでは誤った情報を避けるため金額を記載していません。必ず各市町村の公式ページの原典、または担当窓口で確認してください。
ほとんどの補助は、工事の契約や着工の前に申請が必要です。先に解体してしまうと対象外になります。売却をお考えの場合は、補助を使うかどうかを含めて、解体の前にご相談ください。
大阪市:都市整備局(耐震・除却の補助)/堺市・その他の市町村:建築や住宅を担当する課。物件の所在地を伝えると、使える制度を案内してもらえます。
老朽化した建物と火災保険
古い文化住宅の火災保険は、更新のたびに保険料が上がったり、引き受けの条件が厳しくなったりすることがあります。火災保険は、火事や台風・雪などの災害による損害を補償するもので、年月がたって傷んだこと(経年劣化)による雨漏りや腐食は、原則として補償の対象になりません。
また、入居者の方の家財は入居者ご自身の保険で備えるのが基本ですが、建物の不具合が原因で入居者の家財に損害が出ると、オーナー様が責任を問われることがあります。そのための賠償責任の補償(施設賠償など)を付けているかも確認しておきましょう。
売却した場合、火災保険は引渡しの日に合わせて解約し、残りの期間に応じた返戻金を受け取ります。売却の時期が決まったら、保険会社や代理店に連絡してください。
エリア別のデータで相場を確かめる
当サイトでは、府内67エリアごとに、木造の共同住宅(築1985年以前)の取引価格、賃貸用の空き家、駅の乗降客数などをまとめています。取引の多いエリアは次のとおりです。
東大阪市(72件)堺市堺区(64件)寝屋川市(58件)大阪市西成区(54件)豊中市(48件)門真市(45件)守口市(36件)大阪市東住吉区(32件)大阪市住吉区(30件)枚方市(28件)堺市西区(25件)大阪市平野区(22件)
よくあるご質問
雨漏りしている部屋がありますが、そのままで売れますか?
耐震診断を受けてから売った方がいいですか?
建物が傾いていて、入居者に危険がないか心配です。
補助金はいくらもらえますか?
古い外階段が心配です。売る前に直すべきですか?
シロアリの被害があると、買取価格は大きく下がりますか?
このページの監修

シュース健人宅地建物取引士
宅地建物取引士 大阪府 第118737号/株式会社GEEZ 所属
株式会社GEEZ所属。大阪・関西の相続、空き家、再建築不可、借地、工場・倉庫、長屋・文化住宅といった売却の難しい不動産の相談を担当しています。
本ページの数値は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」、総務省「住宅・土地統計調査」、経済産業省「工業統計調査」、国土地理院、OpenStreetMap の公開データを当社が集計したものです。価格は物件ごとの事情で変わります。実際の金額は現地確認のうえでご提示します。